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ワシミ整形外科

看取り

こんばんわ、鷲見です。

先日四〇歳代の癌患者さんの看取りをさせていただきました。2か月という短いお付き合いでしたが、彼の死に向かう姿勢に胸を撃たれました。次々に起こる苦しい出来事に彼は少なくとも私たちの前では冷静に対応しておりました。その都度言葉にしたのが「私が向かうのは未知の領域ですから」と、時には笑いながら。そしていつも自分より奥さんの大変さを気遣っておりました。そして奥さんに感謝の気持ちを伝えておりました。

いつも彼と会った後は、往診車の中で考えさせられます。自分はそのような状況になったときに、冷静にいられるのか?自分以外の人を気遣うことができるのか?

彼が旅立った時に不謹慎かもしれませんが、正直に申しますと、すがすがしい気持ちになりました。そして、奥さん、両親、お子さんたち、訪問看護の看護師たち、みんな悲しいのですが、顔にはやり切った感じが満ちていたように見えました。ご本人には私があの世に行ったときに、ちゃんとやれていたか、聞いてみます。

後日、彼のお葬式には非常に多くの人が参列されたと聞きました。わかります。死の直前まで自分を見失わない彼に、私はヒトとして魅せられました。ですから生前多くの人が彼に魅せられたのは、容易に想像がつきます。

彼は多くの人の心の中で生き続けるのでしょう。