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ワシミ整形外科

MRIの音

こんにちは。
河野です。

ワシミ整形外科でMRIが稼働しています!!
短時間で綺麗な画像が出てくるたびに、撮影しながらいつも大満足です☆

今日は少しお勉強の回です。
どうやったら画像が出てくるのかと音が出る簡単な説明をします。
MRIはmagnetic resonance imagingの略で直訳すると、『核磁気共鳴画像法』です。
「核」と言う字が入りますが、最近隣国が世間を騒がせているnuclearの方の恐ろしいものではなくて、原子核のcoreの方です。

 

 

 

 

MRIの原理を簡単に説明しますと、
人間の約8割は水(H2O)でできていると言われていて、体の中の各組織には水素(H)が多く含まれています。
体の中の水素原子はあらゆる方向を向いてコマのようにくるくる回転しています。当然、各臓器や骨や筋肉では水分量が異なるので、くるくる回る周期も異なります。この現象をうまく利用したものがMRIです。
MRI装置の強い『磁場』の中に体が入り、そこに特定の周波数の電波を照射します。そうするとあらゆる向きにむいていた水素原子が一方向に向きます。
電波を切るとまた水素原子がコマのように回転を始めますが、その際に各臓器、骨によって回る周期が異なるので、それに応じたエネルギーが放出されます(これが共鳴)。その異なったエネルギーをコイルと言う受信器で受け取ります。
どこの場所から出たエネルギーかわからなくならないように、傾斜磁場といって少し傾斜をかけた(強弱を変えた)磁場に『電流』を流して、高速でスイッチをオンオフさせます。そうすることにより、どこの臓器から出たエネルギーなのかの位置情報(番地)をつけることができるのです。

次にちょっと難しいですが、k-space(得られた異なるエネルギーの保管場所)上でフーリエ変換(周波数軸と時間軸の変換)を行い、みなさんの見たことのあるような任意の断面に対して白や黒のコントラストのついた画像が得られるということです。一番上の写真は全椎体(頸椎、胸椎、腰椎)を撮影した画像です。頸椎と腰椎に椎間板ヘルニアがあります。

もともとのMRIは強い『磁場』を用いており、位置情報(番地)を付けるために傾斜磁場に『電流』を流し高速でスイッチをオンオフさせます。

 

お気づきの方もみえたかもしれませんが、上記のように強い『磁場』と『電流』の二つが出てくるということは、残りのもう一つは、『力』です。

フレミングの左手の法則です。『電流』、『磁場』、『力』です。

『力』はローレンツ力です。

MRI検査をされたことがある方はわかると思いますが、ガーガー、カンカンすごい音がしますよね!!あの音は、強い『磁場』と『電流』の高速スイッチングによって傾斜磁場がたわむことによって発生する『力』によって音が出ているのです。

基本的には磁場強度が強くなればなるほど音も大きくなります。最新の装置はほぼ日常で生活する環境音と同等まで音が小さくなった撮影の方法もありますが、やはり得られる画像の白黒のコントラストはあまりつきません。
※ただし、子供や閉所恐怖症の患者さんに鎮静剤を使用して寝かしつけてMRI検査をする場合は、音が静かなので多少のコントラストは犠牲にしても、せっかく鎮静剤で寝ている患者さんを起こさないように検査を終了させるためには絶大な効果を発揮します。

ということで、MRIの音の原因は中学生で習ったフレミングの左手の法則によるものだったのです!!