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ワシミ整形外科

ギョギョギョ!!①

コラム

こんにちは。
河野です。

私の職種であります診療放射線技師ですが、救急の現場ですと急病、事故や事件の際にX線写真(レントゲン写真)を撮ります。前職場に高度救命センターがあり、三次救急も行っていましたので、そこで様々な経験を積まさせていただきました。
書くのは忍ばれますが、私自身は包丁が刺さった患者さんを撮影した経験があります。

大学病院でしたので様々な学部・学科の学生さんの実習も行っていたので、学生さんへの説明用のX線写真が何枚かありまして、教科書に載るような典型的な病変の写真や、言い方は悪いですが、日常診療ではあまり遭遇し得ない「インパクト」のある写真もありました。

その中でも学生さんが驚いていた?興味を示す?のは、銃弾が体の中に残っている写真です。

いつも通り、著作権の関係で「X線 銃弾」 か 「レントゲン 銃弾」と調べていただければ出てきます。

ちょっと説明のために。

X線写真は人体にX線をあてて、その吸収差を写真として現します。
影絵を想像していただけると判りやすいと思いますが、太陽の下で地面の近くで紙を1枚持つと影が出来ます。次に分厚い紙の束(辞典や札束を想像して下さい)にすると影は紙1枚の時よりも濃くなります。
同様に人体で考えると、同じ強さのX線量(太陽)をあてると肺には空気が入っているので薄くなり(紙1枚)、骨(辞典・札束)は濃くなります。
写真にする際にはネガとポジを反転しているので色が逆になりますがそこは省略。

先ほどの包丁や銃弾はご存じのように、金属で作られています。

金属は骨よりもX線を通しにくいです。ですので銃弾や包丁はX線写真上で骨よりも白く結構はっきりと見えてきます。

豆知識ですが、開腹手術などで血が出た場合にガーゼで止血しますが、手術室で使用するガーゼの隅に敢えて鉛が入っているガーゼを使用します。使用したガーゼのカウントをしていますが、手術後にX線写真によってガーゼの残存を確認することが可能となり、そのあと閉腹となります。

あとは魚の骨の確認などですね。喉に小さな骨が刺さった場合はいくら骨と言えど、魚の小さな骨は人間の臓器や骨の方が厚いのでほとんど見えません。。。その場合は喉頭鏡などで診てもらった方がいい場合もあります。

 

で、次回にこの話の続きになります。次回で終わるのが、ネタ不足で三部作になるのかはいつも通り私の気分次第。